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先日,ホームページから問い合わせがありました。
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過去にも複数のクリニックで勤務している時にも同様の相談を受けたことがあります。
色沈で他に相談が多いのは、
(といっても相談全体から考えると相対的にかなり少ない相談ではありますが。)陰部の色沈。
これは,
男性の場合,
陰茎もあれば,陰嚢(いわゆる玉袋)もあり,
女性の場合は、
大陰唇からもう少しはみ出た部分の辺りまでになります。(ちょうどパンツで隠れない部分)
その他にも腋臭のオペ後の色素沈着などもあります。
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以前からレーザー照射後の色素沈着の話の時に繰り返しているように,
特に何らかの原因があっての色素沈着(炎症後色素沈着)の場合は,その炎症が収まれば,あとは時間がかかっても薄くなっていくことが多いのですが,もちろんそこまで待てないからこそ,相談にいらっしゃるのだと思います。
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で,相談者の方はトレチノインはどうか?という相談でした。
美容領域はなかなか学術的なエビデンスが活発に皆で共有される場が無いため,どうしても経験がメインにはなりますが,複数の医療機関,複数の先生方とも交流の上での私の認識です。
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乳首の色素脱色について
1)トレチノインは,正確に言うと脱色ではありません。
皮膚のターンオーバーをあげているだけです。つまり沈着したメラニンがあれば,それを押し出している,とイメージしてください。
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2)一方,ハイドロキノンはメラニン色素合成阻害作用があります。
また,脱色、という言葉を使っていることもあり、実際に乳首や陰部の黒ずみに塗布していくらか薄くなっている、という話しも患者さんから聞くので、使い続けていくことである程度の効果はあるようです。
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ウィルクリニックの時なども時々トレチノインとハイドロキノンを使われる方はいました。
ただ,残念ながら,悩みの場所が場所ということもあるためか、患者さんがあまり診察室に入ってこられることは無く,来院しても、そのまま処方だけ、というパターンが多く、写真もなかなか撮らせてもらえず(カルテに保存のためだけでも)、また元々の症例数自体も少ないので、著効しているかどうかは、はっきりしません。
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効果に関しては、
自己責任で思ったような効果がないこともあることは了解の上、使われるのはいいかと思います。
また,後述のレーザーよりは初期費用が安いので、駄目もとでやってみる、位の気持ちが良いかもしれません。
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◆ 乳首や陰部などの色素沈着へのレーザー照射について
共立美容外科の時や,ウィルクリニックの時にも数例ですが,YAGレーザーの532nmを照射したことはあります。
また,施設によっては1064nmを用いる施設もあるかもしれません。
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実際に,トレチノイン+ハイドロキノンよりは、よく見かけるのかもしれません。
これを当院に当てはめた場合であれば、ルビーレーザーとなります。
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実際に先日も陰茎,陰嚢に一部に区切ってレーザー照射を行った患者さんがいらっしゃって,著効したようでした。
ただ,気になる部位全体の照射になると,金額が10数万円になることから,全体の照射は断念されました。
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レーザー照射のデメリットは,
当然レーザー照射時に、照射による痛みがあります。
また,2週間のテープ貼布が必要となります。
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あとは、きれいに薄くなっても、暫くして色沈がでて、またその後薄くなる、という経過をたどることがあることです。
これは,顔のシミとも変わらないですね。
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この場合、ハイドロキノンを併用することで、PIHの改善がいくらか早くなることを期待することもあります。
気になっている色沈部分の面積が少ないようであれば、料金的にもレーザーも選択肢にあがってくるかもしれません。
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大体こんな感じでしょうか。
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この相談に関しては,問い合わせを頂いて,すぐに返信をしましたが,いまだ読まれてないのか,読まれて放置状態なのかは不明ですが,その後何の返信もありません。
無料相談室ではないので,回答後,反応がない方の場合は,次から返信は差し控えさせていただくことになると思いますが,
せっかくきっかけを頂いたことなので,こういった相談もある,ということで,ブログに残しておこうと思います。
当院のレーザーのページは こちら です。
https://ah-clinic.com/sinryou/own-expense-medical-care/q-ruby/
当院のトレチノイン治療のページは こちら です。
https://ah-clinic.com/sinryou/own-expense-medical-care/tra/
追記:東大式で取れたと謳われているクリニックがありますね。
https://www.junoclinic.com/tre-hq.html
ジュノクリニック