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久しぶりの更新です。
忙しさにかまけてなかなか更新できてないです。(反省)
初めてICIを導入した時から、
オートインジェクターは存在していたので、
オートインジェクターに対する疑問に余地を差し挟むことはあまりなかったのですが、
実際に結構な高齢の患者さんを複数見ていくにつれて、
自分自身の中で一つの疑問が大きく首をもたげてきました...。
オートインジェクターの取り扱い方法 ~ICI (陰茎海綿体注射)~
高齢の方には思った以上に取り扱いが難しいようだ
ということです。
まぁ、手順に関しては、やっている間にいずれは覚えてくるのですが、これが、
80代、90代となってくると、ほんと簡単と思っていた手順でも、かなり困難を伴われているのが、オフィステスト時でもよくわかります。
ちゃんとインジェクターを取り扱えないことの
最大のデメリットは、
薬液が無駄になることがある
ということなのですね...。
新リビドラ法において、薬液量はある程度厳密に決められたものであり、充填されている薬液が全て陰茎海綿体に注入されることで、効果を発揮するわけですから、打ち損じて薬液が海綿体に全て注入されなければ、効果はその分減ってしまうわけです。
つまり、針の恐怖を取り除くために作成されたインジェクターによって、注入操作の全てのステップで針先を見ることが無いのは、患者さんにとっては一つのメリットではありますが、ちゃんと刺さるかどうかわかないままにボタンを押して針を出して薬液を充填するスタイルは、刺さってみないとちゃんと刺さったか分からないわけです。
これでは本末転倒です。
そこで、ある70代の患者さんで、オフィステスト時にインジェクターのセッティング(注射器充填ステップ)も30分近くかけても、かなり不安定な患者さんがいらっしゃり、ようやく充填操作は安定してきたので、いざインジェクターを陰茎に押し当て、ボタンを押して頂こうとしたら、力が入りすぎて、インジェクターがプルプル...。
このままボタンを押しても、明らかに陰茎海綿体を外してしまうのが目に見えている状況でした。何度か持ち直して頂き、当て直しますが、またプルプル...。
これでは、慣れるまでに薬液が相当量無駄になり、せっかくのICIの効果を感じてもらえない、と思った時に、注射しても痛みはそもそも殆ど感じないので、これは直接注射してもらう方が良いのでは!??という思いが一気に押し寄せ、患者さんに伝えました。
『このまま見えない状況で注射をして、薬液を何度も無駄にするよりも、まず痛さを感じないはずなので、ここは直接注射器を持って打ちましょう!!』
患者さんも私に気おされたのか、『分かりました』
と言って頂き、注射器を右手に。
陰茎がインジェクターでおおわれて見えない、ということがないので、ここを狙ってください!と陰茎基部から2横指ほど遠位の場所を説明。
私 『そこに一気に刺してください!』
患者さん 『は、はい!(ブスッ)』
私 『痛いですか!??』
患者さん 『いいえ!』
私 『では、押しやすいように持ち替えて一気に薬液を注入してください!』
患者さん 『は、はい!(注入)』
私 『打ち終わったら、陰茎を圧迫(止血)しながらマッサージしてください!』
患者さん 『はい!(モミモミ)』
半勃起状態に...。
患者さん 『おぉなんか久しぶりの感覚です...。』
というわけで、無事オフィステスト成功しました。
その後当初は、多少漏れることがあります。と仰っていましたが、基本的には安定して注射できるようになったようでした。
その後痛みの方はどうですか?
という問いに対しても、注射時の痛みは特に感じないとのこと。
今も継続して処方をさせて頂いています。
この一件以来、
・基本的に痛みを訴える方が、ほぼ0(というか当院の患者さんでは現状0です)であること
・インジェクターが大きく、陰茎が見えにくくなり、打ち損じをして薬液が海綿体に注入されないと効果が減弱すること
をちゃんと説明すると、皆様直打ちに素直に理解を示して頂けることから、
最近では、
ICI治療では直接この注射器を御自分で陰茎に注射して頂きます。
しかし針が非常に細いので、基本的に痛みは感じません。
最初は針を刺すことに痛いという不安が必ずよぎりますが、当院では今のところ、注射直後に確認して痛いとおっしゃった方はいらっしゃいません。
と説明すると、患者さんはみなさん、特に緊張することもなく注射をして頂けるようになりました。
こればかりは、実際に経験してみないと、何とも言えないじゃないか!と仰る方もやはりいらっしゃると思いますが、20代から80代まで、みなさんそう仰います。
それを信じてチャレンジしてみた頂くと新しい性生活が送れるかもしれませんよ!
現在はインジェクターを用いなくなったことも有り、更に一回り細い30Gの注射器を用いています。
29Gを使われていた患者さんには、より細い針も用いるようになったことと、細い針は長さも若干短くなっていることを説明させえて頂き、半分半分でお渡しするようにしていますが、みなさん、次回からは30Gを指定されますので、やはり30Gの方がより良いようです。
ちなみに現在の患者さんには、
初診のオフィステスト時から全て30Gを使用しております。